声域
中学生ぐらいの時から古い洋楽が大好きでよく聞いていた。
外国の方の声は、日本人の声とは全く違っていて、きっと途方もなく広い声域で歌っているんだと、当時、思っていた。
バンド活動をするようになって、洋楽のボーカルラインを聞き取り、音符に直してみて初めて気づいた。どの曲も、ものすごく高いキーだと思っていたのに、実際のキーはそれほど高くはなく、声域もそこまで広範囲ではなかった。
例外的にマライア・キャリーなど何オクターブも出せる方もいるけれど、曲のアクセントとして使う場合の「ホイッスルヴォイス(超高音)」などを除いて、主旋律だけを普通に歌うのであれば、通常、どの曲も1オクターブ半~2オクターブぐらいのふり幅しかなく、日本人の私でも十分歌えるものだった。
音楽の基礎を学んだ女性なら、3オクターブは出すことができる・・・・と聞いたことがあるけれど、私の声域もほぼ3オクターブ。でも、オペラなどではなく、普通の洋楽を歌うのであれば、3オクターブも必要ないと個人的には思う。
西洋の方は、もともと複式呼吸で発声が違い、薄っぺらい日本人体型とは骨格も違うため、深みと響きのある素晴らしい声を出す。これはもう、到底、叶わない。
でも、声域だけみれば私でも歌うことができる。
そして、すごく高い声域で歌っているように聞こえても、実際のキーはそうでもないものがほとんどで、それぞれの声質が高そうだったり、低そうだったり、変化を加えているに過ぎないと知った。大好きな洋楽が自分の手に届く範疇なんだと知ったことで、私はますます洋楽カバーに夢中になった。
『声域』にこだわる方もいらっしゃるけれど、もちろん声域が広いほど、楽に豊かな声で歌えるけれど、声域よりずっと大切なのは、『声質』なのではないかと私は思う。
日本人としての体型を生かした、私ならではの声が出せないだろうか・・・と思うものの、これが本当に難しくて、日々、試行錯誤している。
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